アウグは工場を持っていません|カーケミカルのOEM・PB開発の話
こんにちは!
私たちの会社名「アウグ」を名乗ると、10回のうち6回は聞き返されます。
「アウブさん、ですか」
「アウク……?」
「アウ……何さんでしたっけ」
そのたびに、もう一度ゆっくり言います。
ア・ウ・グ、です。最後は濁点の「グ」。
42年やっていて、まだこれなんです。
早く皆さんに覚えてもらえるように、今日も名乗ります。
アウグです。
よろしくお願いいたします。
さて。今日のお話は、そのアウグが商品をどうやって作っているか、です。
先に言ってしまうと、ウチは工場を持っていません。
OEMのご相談をいただくと、話の途中で必ずと言っていいほど、この質問が出ます。
「工場はどちらにあるんですか」
そうですよね。どこで作っているのか、気になります。
そしてウチは、毎回ここで少し間をつくることになります。
工場を持たない会社にOEMを頼むと、どうなるのか。今日は、そこを書きます。
先に答えです。企画と処方は社内、製造は協力工場です
ウチが社内でやっているのは、企画と処方の設計です。
どんな困りごとを解決する商品にするか。
そのために、中身をどう組むか。
どの容器に入れるか。
表示に何を書くか。
ここは全部、自分たちで決めています。
そして、実際に作るのは国内の協力工場です。
中身の性質によって、得意な工場が違うんですよね。
液体が得意な工場、エアゾールを作れる工場、粉を扱える工場。
ひとつの工場で全部をきれいにやれるところは、そうありません。
ここを隠して「自社工場で製造しています」と書くこともできますが、そういう書き方はしません。
工場がないと、何が困るのか
良いところから書きたいところですが、先に困るほうから書きます。
自社工場があれば、生産の順番を自分の都合だけで決められます。
急ぎの案件が入ったとき、今日の予定を入れ替えられる。これは、正直うらやましいです。
ウチは工場にお願いする立場なので、そこまで自由にはできません。
込み合う時期には、希望どおりの納期にならないこともあります。
ここは、工場を持たないことの弱いところです。
商品を売る側としては書きたくない部分ですが、隠しても仕方ないので書いておきます。
それでも、工場を持たない理由
では、なぜそのままでやっているのか。
ひとつは、中身に合う工場を選べるからです。
自社工場があると、どうしても「うちの設備で作れるもの」に寄っていきます。
作れないものは、作れないと言うしかない。ウチにはその縛りがないので、まず「何を作るべきか」から考えられます。
もうひとつは、少ない数から始められることです。
自社の設備を止めないために最低これだけ作ってください、という事情がないからです。
まず小さく出して、売れ方を見てから数を増やす。この順番のほうが、たいていうまくいきます。
ここからが本題です。ほかのOEM会社と、何が違うのか
OEMを受ける会社は、たくさんあります。
比較サイトで並んでいるのを見ると、どこも「小ロット対応」「短納期」「一貫対応」と書いてあります。
読んでいるほうは、どこが違うのか分からないですよね。
ウチが違うと言えるのは、3つだけです。
1. 自分たちも、売り場で売っています
ここが一番大きい違いだと思っています。
アウグは自社ブランドの商品を持っていて、ホームセンターさん、カー用品店さん、それからAmazonやテレビ通販でも売っています。
つまり、作って納めたあとに何が起きるかを、自分の商売として知っています。
棚に並べたときに手に取られるパッケージと、そうでないパッケージ。
裏面の説明が足りないと、どんな問い合わせが来るか。レビューに何を書かれるか。
返品の理由。使い方が伝わらなかったときの電話の内容。
全部、経験しています。うまくいかなかったものもあります。
だから処方のご相談をいただいたときに、中身の話だけで終わりません。
「その容量だと、1回の洗車で使い切れずに半分残ります」
「スポンジを付けないと、買った人がもう一本買いに行くことになります」
「その香りは、閉め切った夏の車内では強く出ます」
そういう話までできます。
中身を作るだけの会社では、ここは出てきません。
売り場に立っていないので、分からないんです。
ただし、これには不都合もあります。
ウチの自社ブランド商品と、同じ売り場で並ぶ可能性があります。
近い商品のご相談をいただいたときは、そこを先にお伝えします。
黙って進めて、あとで「同じ棚にいるじゃないか」となるのが一番よくないので。
2. 車で覚えたことを、車以外にも使っています
ウチは車の商品から始まった会社です。洗車の洗剤、キズ消し、ガラスのコーティング、車内の消臭剤。
1985年から、ずっとそこをやってきました。車は、相手が難しいんです。
塗装。ガラス。ゴム。未塗装の樹脂。メッキ。
そして、真夏の車内と、冬の屋外。
よく落ちる洗浄剤を作るのは、それほど難しくありません。
難しいのは、よく落ちて、しかも塗装と樹脂を傷めないところで止めることです。
車の商品は、だいたいこの線の引き方で決まります。
その線の引き方を、42年かけて覚えてきました。
そして今は、そこで身につけた技術と経験を、車以外でも使っています。
キッチンや浴室の洗浄剤、住まいまわりのコーティング剤、業務用の洗浄剤。太陽光パネルの洗浄にも使われています。
相手が変わっても、考えることは同じです。
よく落として、傷めない。
車でやってきたことを、そのまま活かしています。
3. 「それは作らないほうがいい」と言います
ご相談をいただいて、話を聞いているうちに、売れないだろうなと思うことがあります。
すでに同じような商品が売り場にあって、後から入っても置き場所がない。
狙っている価格では、中身をそこまで良くできない。そういうときです。
作ればウチの売上になります。だから言わないほうが得です。
でも、言います。
300個作って倉庫に残るのは、お互いにとって一番よくない結果です。
そのときは、中身を変える案か、数を減らす案か、別の商品にする案を出します。
それでも合わなければ、今回は見送りましょうとお伝えします。
ここで、少しだけ宣伝です
アウグでは、カーケミカルを中心に、家庭用・業務用製品のOEM・PB開発をお受けしています。
構想の段階でのご相談でかまいません。秘密保持契約は、初期の段階で結べます。
最後に。
依頼先を選ぶとき、聞いてみてほしいことが4つあります。
- 処方は誰が設計するのか(自社か、工場任せか)
- どこの工場で作るのか
- その会社は、その商品が売り場でどう売れるか知っているか
- 売れないと思ったとき、そう言ってくれるか
工場を持っているかも大事ですが、たぶんこの4つも大事です。
次回は、いちばん多い質問について書きます。「何個から作れるのか」です。ここははっきり数字で書きます。
では、また!
